徳島県立文書館

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文書館について

文書館は、刻々と散逸の進む民間の古文書、これまで徳島県の行政機関が作成した公文書・行政資料などを収集・保存し、一般に広く公開し、活用していただくための施設です。
郷土徳島への理解を深め文書史料の活用を図るため、所蔵資料を利用した展示・講座などの活動を積極的に行っています。

徳島県立文書館の沿革

年月日
昭和60年10月31日 文書館設立推進協議会が文書館の設立請願書を県議会に提出
昭和61年1月4日 三木申三知事が,文書館は「文化の森」の一角に建設すると年頭記者会見で発表
昭和61年6月3日 徳島県庁,新庁舎落成式し7月10日に旧庁舎解体工事始まる。
昭和62年12月15日 「公文書館法」公布
昭和63年7月 文書館の建設工事に着手、平成元年10月竣工
平成2年3月26日 「徳島県文化の森総合公園文化施設条例」公布,徳島県立文書館設置
平成2年11月3日 徳島県文化の森総合公園オープン,徳島県立文書館開館
平成3年3月22日 公文書の収集開始
平成3年5月11日 第1回初級古文書講座開講(隔週土曜日,年10回)
平成3年10月17日 文化の森開園5周年記念展「徳島の復興」開催(~11月19日)
平成9年3月31日 徳島県立文書館学術調査報告書『酒井家文書総合調査報告書』発行
『徳島県立文書館研究紀要』創刊号発刊
平成9年4月 「徳島県文書規程」の改正により、永年保存公文書が無くなり最長30年保存となる。
平成11年4月1日 昭和42年(1967)以前に作成された公文書の閲覧開始
平成12年8月5日 文書館開館十周年記念特別展「北海道開拓と徳島の人びと」開催
平成12年10月20日 文化の森開園10周年記念企画展「世紀末大博覧会」(5館共催)
平成13年10月 古文書講座中級を開講
平成16年7月4日 シンポジウム「市町村合併と文書資料保存問題を考える」開催
平成17年8月15日 「文書館ナトコ映画祭」開催(~21日)
平成17年10月22日 文化の森開園15周年記念企画展「ふるさと再発見-15の人・もの・場所-」開催(~28日)
平成17年12月1日 文書館が事務局として平成17年度中国四国地区文書館等職員連絡会議
平成18年5月5日 文化の森こどもフェスティバル始まる。
平成22年10月23日 文化の森開園20周年記念共催展「軌跡」開催
平成24年6月1日 「井口家文書(上月文書)」が徳島県有形文化財指定を受ける
平成27年3月7日 国立公文書館所蔵資料展「近代日本と徳島のあゆみ」(国立公文書館・徳島県立博物館との共催 ~19日)
平成27年8月15日 文書館ナトコ映画祭を開催(~22日)
平成28年4月14日 文書館が事務局の第1回南海地震史料調査委員会が開催され、県南等の史料調査が行われる。(12月17日に調査報告会を行う)
平成29年6月23日 オーストラリア総領事が篠原家文書「異国船舶来話」見学のため来館。
令和2年4月15日 徳島県公文書管理条例(仮)検討会議が始まる。
令和2年4月22日 新型コロナウィルス感染拡大防止のため文化の森内全館臨時休館(~5月8日)
令和5年3月14日 「徳島県公文書等の管理に関する条例」が公布される。
令和6年4月1日 「徳島県公文書等の管理に関する条例」施行されるにあたり、関連の規則・要綱などが整備される。

文書館の業務

文書の調査・引継・収集
文書の整理・閲覧提供
普及・教育活動
研究活動

文書館関連規則・条例

  1.公文書館法
  2.公文書等の管理に関する法律
  3.徳島県公文書等の管理に関する条例
  4.徳島県文化の森総合公園文化施設条例
  5.特定歴史公文書等の利用等に関する規則
  6.徳島県立文書館協議会規則
  7.徳島県文書規程
  8.徳島県立文書館における資料の収集、保存及び利用に関する要綱
  文書館関連規則・条例全文ページへ

文書館の建物

外装

【1】建物について
【2】設計の概要
【3】利用された旧県庁の建材
  の3点を写真で紹介します。

 文書館の建物 外装 続きを読む(こちらをクリックすると詳しいページが表示されます) 【1】建物について
文書館 ライトアップされた文書館  
 この建物は、徳島県立文書館(もんじょかん)といいます。公文書(こうぶんしょ)及び古文書(こもんじょ)を収集するために、そう名付けられています。 
 本館は、平成2(1990)年に昭和初年の日本建築を代表する建造物であった旧県庁の玄関部分を中心にして、設計・建材とともに出来る限り生かして建設されました。
 旧県庁は、昭和5(1930)年に、延5万人の労働力、1年半の日数、86万円の費用で建設されました。地震そのものより火災による被害が大きかった関東大震災の反省から「燃えない建物」として脚光をあびてきた鉄筋コンクリート建築の日本における初期の代表的建築物でした。
 建築の指揮にあたった工学博士・佐野利器(よしかた)は、元国技館(日本大学の前講堂)や神宮外苑球技場・学士会館の建設に携わった人です。

【2】設計の概要
 基本的には、旧県庁の玄関部に左右の両端を結合させたものであります。玄関の規模・正面階段の幅などは旧県庁とほぼ同寸法ですが、奥行き・踊り場・脇階段などは縮小されております。

【3】利用された県庁の建材
 本館は、設計は勿論、旧徳島県庁の建材も出来る限り利用しています。その移動のために建築費が1億円も余分に要っています。(総工費9億円)これは「旧県庁の保存を」という県民の要請に応えたものでした。
 移築した旧建材には、次のようなものがあります。
 
玄関ポーチの石組 文書館正面外壁飾り 文書館前正面石階段
外灯の台座 
外灯は銅製です。昭和5年の建設時にはありましたが、戦時中に供出され移築時にはありませんでした。文書館建設にあたり、設計図により再建しました。
文書館正面ガス灯
車寄せの縁石 縁石 文書館正面車寄せ
テラコッタ 
屋上や玄関石組み上の陶器製の屋根飾り
屋根飾り瓦
陶器製の丸瓦
屋根丸瓦
外壁のタイル 
タイルは20枚はがしても、1枚ぐらいしか使用に耐えない状態でした。また、耐久年限も過ぎているので、ごく一部を建物の裏側の壁面に利用しています。
文書館外壁タイル 文書館外壁材下部

内装

【1】玄関について
【2】陶板画について
  の2点を写真で紹介します。

 文書館の建物 内装 続きを読む(こちらをクリックすると詳しいページが表示されます) 【1】玄関について
 旧県庁の象徴であった玄関は、昔とほぼ同じ規模ですが、踊り場の奥行き、階段脇の幅などは縮小されています。
 玄関部に使用されている旧県庁から移築した建材は、次の通りです。
 
玄関ドアの木部
自動装置の装備は移築時につけたものです。
正面扉木枠
階段木製手すり
ドア・手すりとも、タンギールという南洋材です。この階段手すり下部にある銅製の唐草模様も戦争中に供出されましたが、移築時に再整備しました。
正面階段手すり1 正面階段手すり2
陶板画周辺の煉瓦(れんが)れんが
(れんが)
階段正面陶板画の横の煉瓦


 
【2】陶板画について
 階段の正面突き当たりの絵は陶板画(陶器製壁画)です。
陶板画

 この絵に描かれている場所は、現在の郷土文化会館のある場所で、後ろの森は城山です。
 絵の中の建物は、阿波の特産品・藍玉(紺色の染料)をいれる藍蔵です。
 藍は江戸時代・明治初年を通じ、阿波の産業を代表する特産物で、最盛期には米と同じだけの作付け面積と生産高(金額)を上げておりました。
 絵のもとになった写真は、本館全身の旧県庁が建設されたのと同じ昭和5年頃に撮影されたものです。
 陶板画に描かれている絵は、トラックや鉄道による運送が始まる昭和10年代頃まで、吉野川の主要な輸送機関として使われておりました。上流へ上る時は、1人~2人がロープで船を(ひ)(ひ)きながら岸を歩き、船頭だけが船から竹竿でかじをとり、吉野川の中流域まで上るという厳しい労働でした。

文書館の中で化石を探してみよう

 文書館の中に入ると石造りの壁や階段があります。これらの石はおそらく日本国内産の石で、古生代の後期、石炭紀からペルム紀にかけての石灰岩を切り出したものです。これらの石にはたくさんの斑点がありますが、その多くが小さな生き物の化石です。その中から、はっきりしているものを写真で示します。皆さんも文書館を訪れた際、壁や階段の石の中から探してみてください。

 文書館の中で化石を探してみよう 続きを読む(こちらをクリックすると詳しいページが表示されます)

ウミユリ 
 ウミユリは古生代に大繁栄した生きもので、この時代の地層からはよくその化石が発見されます。これはウニやヒトデ、ナマコなどに近い動物(棘皮動物:きょくひどうぶつ)の一種です。名前の通りその姿はユリの花そっくりです。現在でも数種類が深海に生息していて、「生きている化石」としても有名です。写真の化石はウミユリの茎などを斜めに切ったものや輪切りにしたものです。

Aウミユリ
Bウミユリ
サンゴ
 サンゴは古生代初期から繁栄した刺胞動物門花虫綱に属する動物(サンゴ虫)のうち固い骨格を発達させる種である。宝石になるものや、サンゴ礁を形成するものなどがある。
Cサンゴ
紡錘虫(フズリナ)
 紡錘虫(フズリナ)は大型有孔虫の仲間で、古生代後期(石炭紀・ペルム紀)に非常に栄え古生代の終わりに絶滅した海棲の原生動物の一種です。普遍的に存在し、進化が速いため示準化石として有名です。
Dフズリナ



 参考 徳島県立博物館『石とくらし』2004.10
徳島県立博物館 中尾賢一学芸員に教えていただきました。


文書館周辺の写真


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