文書館の中で化石を探してみよう

 文書館の中に入ると石造りの壁や階段があります。これらの石はおそらく日本国内産の石で、古生代の後期、石炭紀からペルム紀にかけての石灰岩を切り出したものです。これらの石にはたくさんの斑点がありますが、その多くが小さな生き物の化石です。その中から、はっきりしているものを写真で示します。皆さんも文書館を訪れた際、壁や階段の石の中から探してみてください。



ウミユリ 
 ウミユリは古生代に大繁栄した生きもので、この時代の地層からはよくその化石が発見されます。これはウニやヒトデ、ナマコなどに近い動物(棘皮動物:きょくひどうぶつ)の一種です。名前の通りその姿はユリの花そっくりです。現在でも数種類が深海に生息していて、「生きている化石」としても有名です。写真の化石はウミユリの茎などを斜めに切ったものや輪切りにしたものです。

Aウミユリ
Bウミユリ
サンゴ
 サンゴは古生代初期から繁栄した刺胞動物門花虫綱に属する動物(サンゴ虫)のうち固い骨格を発達させる種である。宝石になるものや、サンゴ礁を形成するものなどがある。
Cサンゴ
紡錘虫(フズリナ)
 紡錘虫(フズリナ)は大型有孔虫の仲間で、古生代後期(石炭紀・ペルム紀)に非常に栄え古生代の終わりに絶滅した海棲の原生動物の一種です。普遍的に存在し、進化が速いため示準化石として有名です。
Dフズリナ



 参考 徳島県立博物館『石とくらし』2004.10
徳島県立博物館 中尾賢一学芸員に教えていただきました。