文書館の建物 〈内装〉

 
【1】玄関について
【2】陶板画について

  の2点を写真で紹介します。
 
【1】玄関について
 旧県庁の象徴であった玄関は、昔とほぼ同じ規模ですが、踊り場の奥行き、階段脇の幅などは縮小されています。
 玄関部に使用されている旧県庁から移築した建材は、次の通りです。
 
玄関ドアの木部
自動装置の装備は移築時につけたものです。
正面扉木枠
階段木製手すり
ドア・手すりとも、タンギールという南洋材です。この階段手すり下部にある銅製の唐草模様も戦争中に供出されましたが、移築時に再整備しました。
正面階段手すり1 正面階段手すり2
陶板画周辺の煉瓦(れんが)れんが
(れんが)


 
【2】陶板画について
 階段の正面突き当たりの絵は陶板画(陶器製壁画)です。

 この絵に描かれている場所は、現在の郷土文化会館のある場所で、後ろの森は城山です。
 絵の中の建物は、阿波の特産品・藍玉(紺色の染料)をいれる藍蔵です。
 藍は江戸時代・明治初年を通じ、阿波の産業を代表する特産物で、最盛期には米と同じだけの作付け面積と生産高(金額)を上げておりました。
 絵のもとになった写真は、本館全身の旧県庁が建設されたのと同じ昭和5年頃に撮影されたものです。
 陶板画に描かれている絵は、トラックや鉄道による運送が始まる昭和10年代頃まで、吉野川の主要な輸送機関として使われておりました。上流へ上る時は、1人〜2人がロープで船を(ひ)(ひ)きながら岸を歩き、船頭だけが船から竹竿でかじをとり、吉野川の中流域まで上るという厳しい労働でした。