文書館の建物 〈外装〉

 
【1】建物について
【2】設計の概要
【3】利用された旧県庁の建材

  の3点を写真で紹介します。
 
【1】建物について
文書館  ライトアップされた文書館 
 この建物は、徳島県立文書館(もんじょかん)といいます。公文書(こうぶんしょ)及び古文書(こもんじょ)を収集するために、そう名付けられています。 
 本館は、平成2(1990)年に昭和初年の日本建築を代表する建造物であった旧県庁の玄関部分を中心にして、設計・建材とともに出来る限り生かして建設されました。
 旧県庁は、昭和5(1930)年に、延5万人の労働力、1年半の日数、86万円の費用で建設されました。地震そのものより火災による被害が大きかった関東大震災の反省から「燃えない建物」として脚光をあびてきた鉄筋コンクリート建築の日本における初期の代表的建築物でした。
 建築の指揮にあたった工学博士・佐野利器(よしかた)は、元国技館(日本大学の前講堂)や神宮外苑球技場・学士会館の建設に携わった人です。

【2】設計の概要
 基本的には、旧県庁の玄関部に左右の両端を結合させたものであります。玄関の規模・正面階段の幅などは旧県庁とほぼ同寸法ですが、奥行き・踊り場・脇階段などは縮小されております。

【3】利用された県庁の建材
 本館は、設計は勿論、旧徳島県庁の建材も出来る限り利用しています。その移動のために建築費が1億円も余分に要っています。(総工費9億円)これは「旧県庁の保存を」という県民の要請に応えたものでした。
 移築した旧建材には、次のようなものがあります。
 
玄関ポーチの石組 文書館正面外壁飾り 文書館前正面石階段
外灯の台座 
外灯は銅製です。昭和5年の建設時にはありましたが、戦時中に供出され移築時にはありませんでした。文書館建設にあたり、設計図により再建しました。
車寄せの縁石 縁石 文書館正面車寄せ
テラコッタ 
屋上や玄関石組み上の陶器製の屋根飾り
陶器製の丸瓦
外壁のタイル 
タイルは20枚はがしても、1枚ぐらいしか使用に耐えない状態でした。また、耐久年限も過ぎているので、ごく一部を建物の裏側の壁面に利用しています。
文書館外壁タイル 文書館外壁材下部