行政記録・歴史公文書の保存と活用

公文書の収集・受入・整理・保存・提供について

公文書は、行政機関が政策決定や事務執行の過程で作成・取得した記録であり、行政運営の根拠を示すとともに、地域社会の歴史を伝える重要な資料です。文書館では、公文書の適切な評価選別、移管、整理、保存、提供を通じて、歴史資料としての継承と利用を支えています。

公文書を保存する意義

公文書には、条例・計画・会議・事業・災害対応・教育・福祉・土木・文化財・地域振興など、行政活動に関する多様な記録が含まれています。これらは、行政がどのような判断を行い、どのように地域社会を運営してきたかを示す一次資料です。

また、公文書は、住民共有の知的資源として、説明責任の確保、歴史研究、地域学習、自治体史編さん、防災研究、政策検証など、幅広い分野で活用されます。

文書館では、保存期間満了後の公文書のうち、歴史資料として重要なものを評価選別し、適切な保存・利用環境を整えた上で、将来にわたり継承します。

文書館における公文書業務の流れ

1

評価選別

保存期間満了文書の中から、歴史資料として重要なものを選別します。

2

移管・受入

行政機関から文書館へ移管し、作成部署や年代、内容等を確認します。

3

整理

分類、記述、目録作成等を行い、検索・利用しやすい状態に整えます。

4

保存

紙文書・電子データそれぞれに適した方法で長期保存します。

5

提供

閲覧、展示、調査研究、教育利用などに活用できる形で提供します。

1 評価選別・移管・受入

行政機関では、日常的に多くの公文書が作成・取得されます。保存期間が満了した公文書については、すべてを永久保存するのではなく、その中から歴史資料として重要なものを選別します。

選別にあたっては、政策形成過程、地域社会への影響、行政制度の変化、災害対応、住民生活との関係などを踏まえ、公文書の歴史的価値を評価します。

文書館へ移管された後は、作成部署、作成年月日、事業名、文書群のまとまり、利用条件等を確認し、受入を行います。

確認する主な項目

  • 作成部署・作成者
  • 作成年月日・保存期間
  • 政策・事業との関係
  • 文書群としてのまとまり
  • 紙・電子等の媒体種別
  • 個人情報・機密情報の有無
  • 閲覧制限・利用条件
歴史公文書とは:保存期間満了後も、歴史資料として重要であり、将来にわたり保存すべきと判断された公文書を指します。

2 整理・目録作成

受け入れた公文書は、作成部署や事業単位など、元の行政文書体系との関係を踏まえて整理します。文書館では、単に分類するだけでなく、公文書がどのような行政活動の中で作成されたかを理解できるように記述します。

分類・構成 作成部署、年度、事業、文書群など、公文書の構造を踏まえて整理します。
記述項目 資料番号、タイトル、年代、作成部署、内容要約、数量、媒体、利用条件等を記録します。
検索性の確保 主題、地域、年代、事業等から検索しやすいよう、目録・データベースを整備します。
利用制限の整理 個人情報や機密情報を含む場合、公開範囲や制限期間を確認します。

※整理状況や利用条件により、すぐに閲覧できない資料もあります。

3 保存・デジタル化

公文書には、紙媒体だけでなく、電子データ、図面、写真、映像、音声など、多様な媒体があります。文書館では、それぞれの特性に応じて保存環境を整えます。

紙公文書の保存

  • 温湿度管理による劣化防止
  • 光・虫害・カビ対策
  • 中性紙封筒・保存箱の使用
  • 破損資料への適切な対応
  • 利用時の取り扱い管理

デジタル化の目的

  • 原資料への負担軽減
  • 閲覧・検索の利便性向上
  • 災害等への備え
  • 長期保存の補完
  • 教育普及・遠隔利用への活用
注意:デジタル化は原資料保存の代替ではありません。原本としての価値を持つ資料については、継続して適切に保存します。

4 提供・利用

整理・保存された歴史公文書は、調査研究、自治体史編さん、教育活動、地域学習、展示、防災研究、政策検証など、多様な分野で利用されます。

閲覧利用 目録やデジタル画像等を用いて、利用者の調査研究を支援します。
展示・普及 企画展示、講座、ホームページ、学校連携等を通じて、公文書の価値を分かりやすく伝えます。
複写・掲載 利用条件や個人情報保護等を確認した上で、複写・掲載利用に対応します。
利用制限 個人情報、機密情報、権利関係等により、一定期間利用を制限する場合があります。
利用にあたって:歴史公文書は公開を原則としつつも、個人の権利利益保護や行政運営上の必要性等を考慮し、適切な公開範囲を設定しています。

5 電子公文書への対応

近年、多くの公文書が電子データとして作成・保存されるようになっています。電子公文書は、紙文書とは異なる課題を持っており、長期保存のためには、データ形式、保存媒体、システム更新、真正性確保などへの対応が必要です。

主な課題

  • 保存媒体の劣化・更新
  • ソフトウェアや形式の変化
  • 改ざん防止と真正性の確保
  • 大量データへの対応
  • 検索・利用環境の維持

文書館の役割

  • 電子公文書の長期保存
  • メタデータ管理
  • 検索・閲覧環境の整備
  • 真正性・完全性の維持
  • 将来世代への継承

公文書を未来へ引き継ぐために

公文書は、行政活動の記録であると同時に、地域社会の歴史を伝える共有資源です。文書館は、公文書を適切に評価・保存し、必要な人が利用できる形に整えることで、地域の歩みと行政の記録を未来へ継承します。

歴史公文書の保存

行政活動の記録を長期的に保存し、将来へ継承します。

調査・閲覧支援

研究・教育・地域学習に役立つ利用環境を整備します。

展示・教育普及

公文書の価値を広く社会へ伝える活動を行います。

問い合わせ先 徳島県立文書館 TEL:088-668-3700